第二十三話      「―追憶其之参―諍い」
さて……今日も剣術の指南にいく。この準備に二週間はかかっているのではないか。




一通り練習を見てまわって、昼時になった。休憩ということで広場から離れた。
飯を食って……。誰かコソコソ歩いて広場に何をしに行くのだ。
確かあいつは……主役のやつと仲が悪い悪ガキだったな。そんな事はどうでもいいが。


飯を食い終わった後練習に………
主役の人「仮面がない。ない。な〜い!」
何か向こうで仮面が無いとか言っている奴がいる。
何だ何だと皆が寄ってくる。俺も行ってみる。
悪ガキ「まあまあ俺達も探してやるから。」
あのさっきこそこそしていた悪ガキがそう言った。後ろを向く。誰も見てないと思ってニヤニヤしている。
クロウ「お前何でニヤニヤしているんだよ。人の不幸がそんな楽しいか?それとも何だ、お前がやっているのが分からないのを嘲笑っているのか?」
悪ガキ「へっ!?」
悪ガキから冷や汗が流れ落ちる。
セリア「そういえばこそこそしてたね。一体何してたの?もしかして……あなたがやったの?」
悪ガキ「えっ?もしかして見てた?何してたか?」
セリア「見てなくてもそんなこと分かるわ。早く返してあげなよ。」
セリアが強く言った。少し悪ガキが落ち込んでいた。恐らくセリアに嫌われたと思ったからだろう。
項垂れたまま隠し場所に案内した。が、
悪ガキ「か…隠していたはずの仮面がない…。」


主役の人「てめえふざけんじゃねえぞ!!これじゃあ劇が出来ねえだろうが!!」
悪ガキ「そんなの俺が知るかよ!!ねえもんはねえんだ!!」
悪ガキが胸倉を掴む。取っ組み合いのけんかが始まった。
クロウ「おいおい喧嘩は……」
悪ガキ「余所者は黙ってろ!!」
ガッ!!
顔面を思いっきり殴られた。
クロウ「痛っ……。」
セリア「ちょっと二人ともやめなよ…。」
その場にいた数人が止め始めた。二人を無理やり引き離した。
クロウ「お前自分で隠したくせに開き直って隠された奴と無関係なよそ者に八つ当たり、お前本当に情けねぇな。今やるべき事は八つ当たりと喧嘩かよ。違うだろ?」
それほど怒っていなかった。このくらいの、いやこれ以上の理不尽ぐらい、幾らでもある。
ちょっと、叱った。
悪ガキは黙ってしまった。
クロウ「喧嘩したって仮面は見つからねえんだからさっさと探すぞ。」
捜索が始まった。










セリア「クロウさん…怒ってます?さっきの事……。」
クロウ「あんな事で怒っていたら本当に限が無い。別に怒ってないし、君が心配することもないだろ?」
セリア「はい……。」
クロウ「それよりも早く探さないと、君たち森に暮らす人の風習を傷つけちまうことにもなる。」



あちこちの茂みを探した。でも、無い。
一般人A「お〜い、有ったか〜?」
一般人B「こっちにはねえよ〜〜。そっちには有ったか〜〜?」
一般人A「有ったら呼んでねえよ〜〜〜〜。」


主役の人「クッソー!見付からねえ!何処にいったんだ!?」
皆必死に探している。

セリア「見つからなかったらどうしよう……。」
クロウ「仕方ないけどもう一度作るしかない。」
セリア「そんなあっさり言わないで下さい。あれはとても特別なものなんです。この森の守り神たる木から作っているんです。そんな粗末に扱っていい物ではないんです……。」


もう一度この里の全部を探す事になった。もう日が暮れかけていた。
闇があたりを包み始める。
バラバラに別れて探し始めた。
セリア「本当に仮面は何処いったのかな……?」
セリアが茂みの中に入る。
セリア「ここには無…キャッ!?」
何か口に白い布を当てられたらしい。
セリア(睡眠薬……?)


クロウ「人の気配?まあ探しているのだから当たり前か……。」
気付かなかった。誰一人として。

作者後書き
どうしてもクロウのキャラがシリアスだから、過去話もシリアスになってしまう。そもそもクロウがギャグに対して能動的ではないという事は周りに引っ張られるクロウを書けばギャグになるのだけど、周りが目立ち過ぎてかえって良くないかもしれない。そういう所がやはり物書きとして未熟なのだなと思います。
その意味ではギャグが少なくなってしまうのも仕方ないのではないかと思える。
だけども余りにもシリアスに傾きすぎるとこれまた読みづらい物になってしまうのではないか。
何か前にヤマチュウさんが「お前の方が戦闘書くのは上手いんじゃないか?」とか言った事があったけれどもどうかなあ?

シュンの一言:もう一度1から作れよ!と言おうと思ったら何かその一言を読まれていた・・・OTZ