第十六話  「迫りくる危機」
クロウ「くっ…。」
アバラが折れながら何とか本拠地に戻ってきた。
アーク「お…お前もか?」
アークも傷だらけであった。
アーク「特攻暗殺部隊の隊長に襲われたのか?」
クロウ「ああ・・・。」
アーク「とりあえず、任務報告をしてから怪我の治療だな…。」



――本営――
アルド「ど、どうしたんだお前達…。」
満身創痍の二人を見て驚きの声を上げる。
クロウ「これは後で話します。とりあえず任務報告です。ここから南西5キロの町、リュアが今手薄になっています。ただ…」
アルド「ただ?」
クロウ「余りに軍が少ないと思えました。いくらなんでも前線にここまで兵が少ないのは異常とも言えるのではないかと。守りの拠点としてはあまり機能していませんけど交通の便が良いから、攻めの拠点にはなります。大軍を置かないはずがない、と思ったのですけれどもここに戻ってくる途中に出陣の軍団にも合いませんでした。今は獲らない方がいいでしょう。」
アルド「何故だ?」
クロウ「それはですね、先ほど守りの拠点にはならないと言いましたよね。」
アルド「ああ。」
クロウ「兵が少なくなっているので獲得するのは簡単でしょう。しかし相手の攻めの拠点でもありますから相手も必死になって取り返しにくるでしょう。それこそ五万を超す大軍で。守りの拠点にはならないので簡単に攻め落とされるでしょう。となると出兵してもいたずらに兵を疲れさせるだけになります。」
アルド「成程……それでアークの方は?」
アーク「特に脆くなっている拠点、手薄になっている拠点は見受けられませんでした。」
アルド「わかった。お前達は傷の手当てを受けて来い」
二人「「わかりました」」
二人が消えた。





アルド「まずいかもしれん…。」
独り言を呟く。







―クロウの家―
クロウ「まさか斬られる瞬間に刀に拳を入れてくるとは…。」
治療を終えたクロウは罅割れた自分の刀を見てそう言った。
クロウ「あのバークレイとか言う男の話しぶりから考えると……ほぼ間違いなく今の俺より強い奴がいるかも知れん。」
独り言をまた呟く。
クロウ「もう一度師匠のもとで修行した方がいいかも知れんな…。」




――こちらフェインの所――
フェイン「随分……歩いたな…。」
ヤマチュウ「何でこんな設定になっているんだよ!!」
視点をフェイン達の方に戻そう。彼等は迷いに迷って本拠地から北西に10km離れた山間の村に着いた。
ここは義勇軍の拠点であるクルアの村である。(標高約985m)とりあえず義勇軍関係者である旨を伝えて宿で休んでいた。
…………………で
兵団長「おーい力を貸してくれー!!」
フェイン「どうしたんですかいったい……………。」
兵団長「帝国軍が攻めてくるんだ―――――!!」
フェイン「えええええ!?」








フェイン「そんなこんだで。」
ヤマチュウ「俺達も駆り出された訳だ。」
間もなく敵がぶつかってきます、との報を受けた。


作者後書き
まだ十七話なのに二回目の戦。多分これからもそんな感じでしょう。
今現在の状態だと何度もフェイン達が暗殺部隊と戦闘すると面倒なので。(それが本音か)
それと何故か後輩に聞いたらシルフィアが人気でした。
……何故だ?

シュンの一言:↑この後輩って言うのはシュンの事です(この時、まだ想がこのサイトに載ると決まってなかったので、こういう後書きにしたのでしょう)