第十一話        「戦勝の宴」

どうやら敵の後ろに突っ込んできたのは味方になってくれた軍らしい。
フェイン「これが戦の駆け引きというものか…。」
タイミングも良かった。たまたまなのか、狙ってきたからかは知らないが、こちらの陣に深く攻め込んで来ていた敵を結果、四方から攻めることになった。
俺はただただ戦っただけだ。
そして俺の呟きは誰にも聞こえることはなかった…。





戦勝、ということでささやかな宴が催された。
ヤマチュウ「飲むぞ――――!」
彼が言っているのはおそらく酒の事だろう。



一方こちら本営
アルド「援軍を連れて来てくれて感謝するぞ、クロウ。」
クロウ「そんな大した事でもありますまい…。」
アルド「何を言っているんだ!?3500と言えば、我らの総動員数の約五分の一に匹敵するほどの兵力だぞ。」
暫く二人の間に沈黙が入る。
アルド「………まあ良い。一応労はねぎらっておく。」
クロウ「それでいいんです。その言い方で。私の動きは水面下でこそ意味があります。そして私は前にも言った通り名を歴史に残すことなど興味がないんです。」
アルド「そうだったな…。そう言えばお前は宴には出ないのか?」
クロウ「私は下戸で酒は飲めませんし、第一私はあくまで戦いには出てない事になっています。」
アルド「ならば俺が皆に話して…。」
クロウ「もう一度言いますけれども、私は影働きに徹します。ですから私は公の場に出るのは良くないですし、私の存在も敵方にばれかねないです。私の動きを知っているのは、私の仲間とリーダーだけで良いんですよ。」
と言ってクロウは去って行った。

黒装束の男がいた。
クロウ「何者だ?」
黒装束の男「其処をどけ…。わしは其処の奥にいる男を殺しに来た…。邪魔をするな…。」
クロウの密偵仲間でもない男だった。
クロウ(俺と同じく闇に生きる者、か…)
男が剣を抜く。クロウも刀を抜く。
しかし
黒装束の男「ギャァァァ!」
断末魔の叫びが上がった。次の瞬間男の首が飛んでいた。
クロウはその男を土に葬した。
アーク「どうしたんだ?」
アークがいた。
クロウ「いや…俺達と同じく闇に生きる者がリーダーの命を狙っていたんでな。その男を斃した。それでその男を土に葬して弔った。」





―こちらフェイン達の所―
酒をみんなで飲みまくっていた。
フェイン「まだまだ飲めるぞー!!」
おっちゃん「若いのにいい飲みっぷりだなぁ!」
ヤマチュウ「ビール一杯追加!」
ヤマチュウもフェインも大分酔っていた。でもまだ飲んでいる。
シルフィアやニーシェはすでに酔い潰れている。



―1時間後―
流石のヤマチュウやフェインも酔い潰れていた。
宴も終わっていた。(一応小屋には何とか戻っている。)

作者後書き
少年が飲酒してもいいのか?という疑問はおいといて書き難いなこういうのは。
酒飲んだこともないし。(あたり前だと思うが)
この話はクロウとフェイン達の違いを書く狙いがあったのですが上手くいったのかな?

シュンの一言:黒装束の男、喋りすぎだろ・・・