第五話「-追憶-フェインの決意」

翌朝
目を開けてみると目の前に萌黄色の髪が・・・
フェイン「わっ!」
フェインの布団に何故かセリアが居たのである。
セリア「うーん・・・、何お兄ちゃ・・・ってわっ、ごめん、お兄ちゃん!」
セリアが顔を真っ赤にしてフェインの布団から出る。単に寝相が悪いだけなのだが…。
フェイン「いや別にいいんだけどさ・・・。」

朝御飯を食べに居間に出た。
フェインの母「そう言えば、今日は夕方から縁日だったわね二人で行ってらっしゃい」
二人「はーい。」








夕方
フェイン「さあ、行くか。」
セリア「うん。」


フェイン「折角だからシルフィアも誘って行くか。」
セリア「そうね。」
シルフィアの家の前に行ってシルフィアを呼んでみる。
シルフィア「あっ、フェインにセリアちゃん、どうしたの?」
フェイン「いやこれから縁日だし、一緒に行こうかなって思ってさ。」
シルフィア「そうねじゃあ行きましょう。」
縁日の場
ここは村をちょっと出た場所。
的当てやら(この世界では弓矢を使う)風船すくいやら楽しんで綿飴なんかを食べひとしきり楽しんだ頃・・・
シルフィア「ひと通り楽しんだし帰りましょうか。」
フェイン「そうだな。」

ズドォォォン!

凄まじい轟音がした。
フェイン「北の方からだ!!」
シルフィア「北の方からってもしかして・・・!」
北の方には兵器保管庫があった筈・・・。と言おうとした所に爆弾が飛んで来た。
ドガガガガガガ
シルフィア「わっ!」
人が風圧で吹っ飛ばされていく。
バリリリリリリ!!
セリア「きゃあ!!」
電撃が飛んできた。それがセリアに命中した。
セリア「うっ・・・。」
体が痺れて動けないらしい。
電撃と爆弾が同時に放てる物は魔術兵器だろう。
魔術兵器が近くまで来て
魔術兵器「ターゲット捕捉、コレヨリ殲滅二移ル」
セリアの方を向いてそう言った。
三人「「「えっ!?」」」
ボゴォォォォォォォォ!!
火炎が思い切り吹き付けられる。
フェインがセリアを抱えて回避する。
ガシャン
手の武器が切り替わる。
フェイン「ガトリングガン!?」
ドドドドドドドド
フェインの足が撃たれてフェインが転ぶ。
そして地に投げ出されたセリアの身体にガトリングが・・・
フェイン「セリアーーーー!!」




そしてセリアは病院に運び込まれたものの
身体に受けたダメージは深刻で行く途中に止血したから失血死に
は至らなかったが、そのまま衰弱して・・・
そして俺の母親はセリアを自分の故郷に埋葬すると言って家を去って行った…。





翌日フェインは新聞を取って読んだ。
兵器の暴走は小さな村で起ったとはいえ、大きな事件だろう。
フェイン「何だこれは・・・!?」
怒りで新聞を握りつぶした。
死人は居なく、負傷者も数名と書かれている。
フェイン「己・・・、己ぇぇぇ!!」





そして今
フェイン「結局・・・、その事件は世の明るみにでることは無かった・・・。」
ヤマチュウ「・・・。」
フェイン「力に怯えて何も出来ない新聞社・・・、そしてこの国の軍事独裁者・・・兵器を創り出した学者・・・それが憎かった。だけど・・・」
ヤマチュウ「だけど?」
フェイン「あの力を前に何もできない自分自身が何よりも憎かった・・・!」
その後誰も殆ど言葉も発することなく一日を終えた・・・

作者後書き
やはりこういう物語は物語に必要だ、といくら言い聞かせても書いてる方も辛いんですよ。
まあとりあえずこれでフェインの戦いに身を投じた理由が明かされました。
こういう物語はもうあまり書きたくないです。(書かざるを得ない場所も多々あるので仕方ないが)やはり物語は明るい方がいいと思います。(シリアスと暗いは紙一重、とも言われていますけど。)
どーも私が書くとシリアスか暗いに傾いてしまうのがどうも・・・。

シュンの一言:今のところシュンは、シルフィア派ですね(何の話だよ