第三話    「その男ヤマチュウ・アルマー」

翌朝
フェイン「おー清々しい朝だ。」
シルフィア「ネボスケのくせして今日に限って早いのね・・・。」
フェイン「しかし懐がさむいなー。」
シルフィア「仕方ないじゃん。麓での買い物がたたったんでしょ?」
フェイン「それとお前の分の武器購入分な・・・。」
シルフィア「うっ・・・。」
フェイン「散歩でもしてみるか。」
山の中を散歩してみる。山の朝は霧に包まれやや視界が悪い。
霧でよく見えない、が人影が見える。少年だった。とかげのようなモンスターと戦っている。
フェイン「あれはいわとかげじゃねえか!!」
この地方では屈指の強さを持つ、いわとかげと戦っているのだ。
「おおとかげ」は何とでもないが、「いわとかげ」なら話が別である。
「いわとかげ」は「おおとかげ」と比べものにならないほどの硬く分厚い外皮を持っている。
動きは鈍いが、体当たりを喰らえば今の装備では一たまりもない。
それに、今の彼らの装備である銅の武器では刃が通らない可能性が大きいのである。だが
紫髪の少年「でいやあぁぁ!!」
いわとかげの脳天に唐竹割りを食らわしたのだ。
いわとかげの頭蓋は両断され、いわとかげは絶命した。
紫髪の少年「さてと・・・。何だお前等?俺を知っているのか?」
少年はこちらを振り向いて尋ねた。
フェイン「知らないぞ。おまえなんて。余所者だろ?
そもそもこの辺りには、いわとかげの皮膚と頭蓋を両断できるような武器は無いぞ。」



―三時間後、フェイン達の小屋―
シルフィア「記憶喪失かーーーい!!」
フェイン「だから俺たちにあんなこと聞いてきたんだな・・・。」
紫髪の少年「名前だけしか思い出せないんだなこれが。」
彼の名前はヤマチュウ。
何でこの小屋に居るのかというと、彼は一応試験を受けて合格したのである。
そしてフェインとシルフィアの小屋は何の手違いか、三人用だったのである。
そして、面接試験の時も(また三十分程迷った)フェインとシルフィアの推薦という事で
直ぐに合格が出たのである。
そこから二時間弱。

ずっと怒鳴りあっていたのである。(近所迷惑この上ない)



シルフィア「もうお昼よ。御飯にしましょうか。」
シルフィアが台所に発った。
30分後
ヤマチュウ「まずい・・・。」
フェイン「確かに・・・。元々分かっていたことだが・・・。」
一応料理の原形は止めている。だが物凄く、不味い。
ヤマチュウ「もっと料理ぐらい練習しなよ。」
シルフィア「人が作ってあげたんだから文句言わずに食べなさい。」
フェインは当然剣術に打ち込んできたから料理は作れない。
シルフィアも弓術の練習のために殆ど料理の練習になど割く時間は無かった。
ヤマチュウは当然記憶喪失なのだから料理など作れる筈が無い。

一時間後
漸く不味い料理を食べ終わった三人は練習場に出て練習していた。
ヤマチュウとフェインは実践練習をしている。
シルフィアは的当てをしていた。そのまま夕方まで打ち合っていた。また今日も一日が終わる・・・。



作者後書き
ここで記憶喪失の少年ヤマチュウが登場。と言ってもこれから物語が急に進むわけでも無し。
一つ断っておきますが、実際ヤマチュウさんでもなく、DQ3-αのヤマチュウとも別人です。
ただこのキャラがいるとギャグが使いやすいというのもあって、
ヤマチュウさんに許可をもらって使わせて貰っているだけです。
私から見たヤマチュウさんをモチーフにしているのでちょっと違和感があるかもしれませんね。

シュンの一言:記憶喪失と料理の腕・・・関係ないような・・・w